おばさんは、その雀をそっと手に取ると、

「しんじゃう」

右の手のひらに乗せて、なにやらブツブツ言いながら、左の手のひらを雀にかざしてた。

今でもはっきり覚えてるあの瞬間、瀕死な雀の瞼がパチッと開き、手のひらから飛び立ってった。

ガラスにぶつかって脳震盪をおこす野鳥もいるけど、あんなにパチッと目を開けて突然飛べないと思う。

俺 「おばさん何したの?、」

おばさん 「私もびっくりしたよ」

俺 「なんて言ってたの、手のひらで?」

おばさん 「お母さんに話すから、お母さんから聞いてね」

お袋と向かいの家のおばさんは滅多に会話することが無いのに一時間くらい話してた。