その日は俺も含め若い衆カップルも、ペンキ屋親方の家に泊めさせてもらえることになった。

翌朝、目が覚めると奥さんは台所で朝食を作っていた。

「おはようございます。」

俺は目を擦りながら挨拶した。すると奥さんはフライパンを振りながら

「うちのから事故のこと聞いてない?」

と聞かれ、まったく何のことなのかわからなかったので

「え、聞いてません」

そう答えた。すると、フライパンを振る手を止め、居間にあるタンスの引出しから新聞を俺に渡した。

「これ見てごらん、うちの人が起こした事故」

俺は、まだ起きて来ないペンキ屋親方と新聞を見ながら驚いた。