奥さんはその紙を奪うように手に取ると、焚き火のなかへ放り込んだ。

またブツブツ言いながら。

放り込んだ紙は焼け上昇し奥さんが手で払ったら、バラバラになって散っていった。

「もう大丈夫だから」

そう言うと、いつもの優しい奥さんの顔に戻り、焚き火の消化や片付けを始めた。

俺も手伝った。