恐怖と不安でいっぱいになりながらも、
わからないことへの恐怖が大きく
きっと妹か誰かがトイレにいっているだけだろうと、意を決して音を建てないようにドアを少し開きました。

やはりトイレに明かりがついており、
なんだ、やっぱりかと安堵したその時


ぎぃぃと、トイレの扉が開きました。


その時の記憶は今でもはっきりと覚えています。
あの時叫ばなかった僕を褒め称えたいです。

トイレからやつれた老人がまっすぐ前を向いたまま出てきたのです。

もちろんその老人に見覚えはありません。