良くこういう場合って、
「悪しき血が現れるまで、寺に籠っていなはい」みたいなこと言われる場面なんだろうけどさ、婆ちゃんが言うことは少し違かったんだ。

「山に入れ。山でヒトガミ様について知れ。ヒトガミ様はこんな狂った村に崇拝されていいような存在じゃない」

「本当はもっと神聖な存在でいなきゃいけねぇんだ」

「とにかく山の中でこれを読んできなさい」

って、俺たちに本を渡したんだ。
本当に神話に出てくるような古い書記みたいなやつ。ホコリも被ってたしカビ臭かった。