婆ちゃんは、神社で、神主として
「ヒトガミ様」のことを住民に伝える仕事をしてた。A村自体がカルト教団なら、教祖は俺の婆ちゃんだ。

だけど、婆ちゃんは「生贄」にも反対だったし、悪い風習を無くすような努力をしてた。
教祖はまともなのに、信者が頭おかしいみたいな不思議な構図だ。

実際婆ちゃんが、「ヒトガミ様」と
どのようにして接触していたか分からなかったし、霊感とかそういう類のものがあったのかも分からない。

俺も神社の家系の血を引いてることになるけど、俺には霊感とか無いと思う。

だけど、長年A村で生きてきて、その悲惨さを実際に見てる婆ちゃんが言うことには妙に説得力があったんだ。