ウズマサさまが打ち懲らしたという「常世の神」とは、本来は出雲神話に出てくる神である。しかし、じつは皇極天皇の代に、民の間に、蚕に似たある"虫"を神として祭って、それを「常世の神」と呼んであがめる風潮が流行した。
 人々はその"神"の前に財産を投げ出したが、何の御利益もなく、損害が積み重なるばかりであった。
 こんな邪教が流行したため、当時の秦氏の族長・秦の河勝はそれを見て激しく怒り、"虫"を神と教える人々を懲らしめた。すると、彼らはもはや虫を神と教えるのをやめ、この"虫"の新興宗教は滅びたという。