このコロナ禍で困窮しているのはなにも飲食業だけでは無い、ここ北欧の国フィンランドにも意外な形で困窮する人が居た。
我々の取材に応じてくれた伝統的なサンタ稼業のミッコ・コルホネン氏(77)はこう語る
「昨年は酷かったです、一年の稼ぎ頭のクリスマス配達が自粛ムードで無くなってしまって今は食べるにも困る有様です」
彼は恰幅の良い身体を萎めながら呟いた。
実際このコロナ禍でサンタを辞める人は増えているらしく、財政的にも政府は彼らの飼っているトナカイやソリの維持費の面倒は見切れないらしい。
机の上に毳毳しいフォントのキリル文字の書かれたパンフレットが置いてある、見てみると思わず目を顰める様な痴態の中年親父の写真と共にロシア語で「70年物の美中年デリバリーサービス」と書かれている。