「これから行く」若い男の声で電話、札幌で不審電話170件…強盗前の下調べか

札幌市内で今月に入り、住民に在宅を確認するような不審電話が、少なくとも170件寄せられている。中央区宮の森や豊平区福住、手稲区内が多く、北海道警は、犯罪グループが窃盗や強盗に入る前の下調べをした可能性があるとみて、警戒を呼びかけている。

「これから行く」。11日午後2時5分頃、手稲区の80歳代の男性宅に、若い男の声で電話があった。男性は、最近市内で不審電話が相次いでいると聞いていたため、受話器の横に、不審な電話を受けた場合、警察に通報する旨を書いたメモを置いていた。

話の内容から、すぐに不審電話と気づいた男性は、相手の電話番号などを問い詰めたところ、通話は突然切れたという。取材に応じた男性は「ニュースをチェックし、物騒なことがあった時の対応を確認することは重要だ」と振り返った。

道警によると、こうした電話は、こちらから身元を尋ねると、通話を一方的に切ってくるケースが多い。窃盗や強盗被害につながりかねないほか、特殊詐欺の予兆電話の可能性もあるという。

手稲署の小畑貴弘刑生官は「電話機の着信番号表示や留守電を活用し、相手を確認するようにしてほしい。見知らぬ番号からの電話には出ないことが対策になる」と呼びかける。

近年国内では、犯罪グループが事前に「アポ電」と呼ばれる電話をかけ、資産のある家庭を調べてリスト化している疑いがあるほか、SNSで高額報酬をうたって犯罪への協力を誘う「闇バイト」に絡む強盗事件が発生している。

道警は2020年6月下旬から、ツイッターで闇バイトを募集しているとみられる投稿に対し、警告文を送信してきた。送信件数は20年に225件、21年に399件、22年に191件に上っている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230219-OYT1T50047/