酔いはすっかり醒めて足元を雨水が流れていくのだがそれが妙に粘度があるかのように川の方に流れていく。違和感を持ちながら触れない様に跨いでやり過ごした。
空はさっきまでかかっていた夜にも関わらず黒いと思えるような雲は無く星がチラチラ見えている。
安心して歩き出そうとすると上から嫌な感覚というか空気みたいなのが迫る気がして手にした傘をバッと開くと今までで一番大きな声でグワアーッと聞こえた。
傘に一際大きな雨粒が当たるとグェッ!というような声とも音ともつかないのが聞こえた。その雨垂れがやはり粘度の高い感じで傘を伝って地面に落ちるのを見て傘を捨てた。
歩き出すと初秋の空気は雨が降っていたのが嘘の様にカラッと爽やかに流れて川の流れる音がサーサーと聞こえる。