なぜか車に戻る発想が浮かばず山の中へ逃げた。
撒けばなんとかなるかも知れないと思った。
多分用を足していたからそのまま漏らしてたと思う。

とにかく逃げた。
しかし何故か追いかけてくる音が一直線にこちらに向かってくる。
もう走れないってぐらい走った。
スタミナも切れてコケてしまいその場から動けなくなった。
もう迫ってくるものを見つめることしか出来なかった。

あの女が凄い勢いで馬乗りになってきた。
顔がフクロウのようにカクカク動いていた。
仮面の奥から「カエッテ…」「カエッテ…」と連呼していた。

俺は死んだと思った。
そのまま両腕(うろ覚えだが襟元かもしれない)を掴まれて上下に凄い勢いで揺さぶられて
気を失った。

気が付くと病院だった。
迎えに来ない女の子が店に連絡し、他のドライバーが様子を見に来たらエンジンのかかった車だけ
あり自分が居なかったので警察へ連絡したらしい。
そのあと山の少し奥まった所でみつかったようだ。
自分は本気で殺されると確信した。