看護師さんとも話せるようになり、入院生活に慣れ始めた頃です。
僕もクマちゃんも両親が忙しくて、面会に来れず、看護師さんが見回りに来る時以外はずっと僕が一緒にいて面倒を見ていたので患者のおじいちゃんや主治医の先生達から兄妹みたいだねと言われていました。

そんなある日、怖いから一緒に寝て欲しいと言われます。
同室と言えどベッドの配置が四隅の対角線だったのもあり、心細いのもあるだろうと思い了承したのですが、僕もクマちゃんも点滴を打っており、とてもじゃないですが添い寝などできません。
それを看護師さんに相談すると、看護師さんはクマちゃんのベッドを僕の隣に移して「手を繋ぎながら寝なさい」と言いました。

そしてその夜、僕たちは柵の隙間から手を出して握り合い眠ろうとしました。

少し、クマちゃんの手が震えていた様に感じましたが、何分バカでしたので特に深くは考えずそのまま眠りに落ちました。