朝日が昇る頃、ハゲおじさんが起床します。

昨夜の爆笑を謝罪していましたが僕はもう寝れなかった事でいっぱいいっぱいで、聞き流していたと思います。

丁度そのタイミングで「ピー!ティロリリリン♪♪」と音がなり、点滴の電気が入ったかと思うと、ピーピーピーピー音を鳴らし、嫌になりながらナースコールをしようとして、驚愕しました。
左腕の点滴に繋がる管が、真っ赤なのです。
もうパニックになって担当さんを呼びました。

来たのは新人さんでした。「逆流自体はなんの心配もないから安心してね」とこれまた笑顔で頭を撫でてくれました。

すると、妙な事をハゲおじさんが言うのです。
「昨日夜看護師さんが来て、坊主の点滴直して行ったと思ったんだけどなぁ」
新人さんが眉を顰め、もう一度尋ねるとハゲおじさんは絶対に人影を見たとの事
しかし、新人さんや他の看護師さんらはずっとナースステーションにいて、ナースコールは無く、みんなステーションで待機していたとの事、また後に巡回の警備員さんに聞くも怪しい人影は無かったそう。

もう僕は怖くて怖くて、その時初めて幽霊を信じました。