賛美歌を皆で歌って、それから教祖様の説教が始まったんですけど・・・
教祖様が第一声を発したとき、パーンと音がして高いとこに並んでいる
ステンドグラスの、真ん中のが割れたんです。教祖様は少しも動じず、
「ああ、神がこの快挙を祝福してくださってる。今のは神のみしるしだ」って。
ええ、教祖様はそういうアクシデントをうまく利用されるんです。
で、だんだん説教が進んでいって、信者が陶然としはじめたとき、
大きなシャンデリアがドカーンとばかりに落ちてきまして。ええ、教祖様が
説教してる演壇のすぐ前です。あれ、直撃を食らったら死んでましたよ。
こんときはさすがに、教祖様も目を白黒させてました。
広範囲にガラス片が散乱してて、説教は中止にせざるをえなかったんです。
教祖様は激おこで、内装の工事をした会社に損害賠償させるって言ってました。

で、こんときからですよ。悪いことが次々と起こっていったのは。
教祖様は独身でしたけど、おそばに若い女の信者が2人ついて、
身の回りの世話をしてました。おそらく体の関係もあったと思います。
でね、まずその一人がおかしくなっちゃったんです。日に日に目つきが
キツくなっていって、夜中に四つん這いで宿舎の中を走り回るようになったんです。
でね、女の信者でそれを止めようとしたら、あたりかまわず噛みついて、
ケガ人がたくさん出ました。夜中に救急車が来てたいへんでしたよ。
はい、その娘はそのまま精神病棟に入院して、今も入ったきりです。
でね、最初のミサがシャンデリアの件でつぶれちゃったでしょう。
仕切り直しで、二度目のミサをやることになりまして。
で、そのときも礼拝堂が満員になるだけの信者が集まってました。