翌朝、出勤のときに隣の庭を見ると、組み上げられた機械の上で電極がブンブン
うなりをあげ、その間に緑色の稲妻のようなのが走っていました。
で、その日から家族全員、調子が悪くなっちゃったんです。
子どもらは熱を出すし、妻は全身に蕁麻疹ができて顔が倍くらいに腫れ、
わたしは子どもらを医者に連れていった帰り、急に気分が悪くなって血を吐いたんです。
でも、子どもも妻もわたしも、病院では原因が特定できなかったんです。
・・・でもねえ、どう考えても体調悪化の原因は隣家の機械だと思うじゃありませんか。
それで、妻と相談して警察に連絡したんですよ。そしたら警官が2人来たので、
垣根越しに隣家の機械を見せたら驚いていました。
バチバチ音をたてながら緑の火を吹いてるんですからね。
それで、改めて翌日、警察が山田さん宅に事情聴取に行ったんです。

表向きは火事を起こしそうで危険だからという理由で・・・そしたらです。
警官が山田さん宅に入ると同時に、ものすごい怒鳴り声が聞こえてきて・・・
山田さんが木刀で警官たちを叩きまくりながら外に出てきました。もちろん
これは公務執行妨害だし、警官の一人は頭から血を流してたので傷害でもあります。
山田さんは現行犯逮捕されて警察署に連行されたんですが、その日のうち、
トイレで自分の下着を飲み込んで自殺してしまったんです・・・ええそれで、
隣家の庭にはまだ動いている機械だけが残され、わたしは意を決して隣家の庭に入り、
持っていったシャベルやつるはしで機械を叩いて叩いて叩きまくりました。
機械は人間の悲鳴のような音を立てながら少しずつ壊れていき・・・最後に中心部分を
つるはしでえぐったとき、白いものが転がり落ちて割れ、中身がこぼれました。
それ骨片だったんです。ええ、おそらく山田さんの奥さんの遺骨なんだと思います・・・