もう一度腕を掴まれるのを最低でも目視したくない俺は、スマホとジュースを入れ替えて
「やばいやばい!!なんか腕掴まれた!!!」と言いながら走ってそこから逃げた。
逃げる道中、蛾のような黒い影が自分の周りを飛び回っているような感覚が続いて、それを振り払いながら走った。
20mくらい走ったところで、周りを飛ぶ影も消え、後ろを振り返るが街灯にそれっぽい虫も居ない。

「何が聞きたい?」と言うほどだから、まぁある程度は霊感がある。
ガッツリ見えたり触れたりできるほどじゃなく、眼球から脳に信号が行く道中に普通は見えないものを抽出するフィルターが備わってる感じ。
最初は「あそこ嫌な感じするな...」からだんだんモヤになってきて、それに集中するとその幽霊のバックグラウンドが見えてくる。といった感じ