5日目 2021/07/05
今日も来ました、男の人。正直今日は寝ながら少しばかり恐怖を感じていた。うつらうつらと浅い睡眠を繰り返すもナイスガイノスガイと花火大会に行く夢以外は喪服を着ていたりする夢だった。今日はドアを開ける音が静かというか、バレないように静かに閉める感じの音がした。また来た、と思い身体に力が入り、息が苦しくなる。今日は壁に向かって寝ていた。男は何かお経?みたいなものをブツブツ呟き、歩いて近寄ってきた。わたしの後ろまで来ると、布団をぺちぺち?ぱたぱた?叩き始めた。左右に動きながら。文章にするとウケるけどこれがまたこわい。
わたしは反応しないように努めた。暫くすると音はやんで、男はふう、と息を吐いた。帰ってくれると思いきやまたもやわたしと壁の間に寝そべってきた。昨日と違うのはわたしと男が向かい合う形になっているということ。気配の強さからこれはもう実体のある男だと確信した。超怖かった。
男はまたわたしを凝視して、今度は接触を図ってきた。胸と尻をさすさす触られた。こういうのにはトラウマがあるのでやめていただきたい。絶対に実体のある男だと思っていたからこそ気持ち悪かった。わたしは薄目を開けた。男の顔が見えた。テラフォーマーズのゴキみたいな顔してた。
男はチェックのシャツを着ていた。男はさすさすし続けた。わかる?電車で痴漢されても怖くて声出せない状況。そんな感じ。男は何か呟いていた。「ネムタイネムタイネムタイネムタイ……」みたいな。音だけだからほんとにこう言っていたのか確証はない。
そのあと、わたしを凝視して1度だけはっきりと言った。「ネ ム タ イ?」こう聞こえたんだよ本当に。眠たい?そう聞くくらいなら寝かせてくれよ。わたしはぎゅっと目を瞑った。消えてくれ消えてくれ。出てってくれ。ひたすら念じてた。
今日は男は歩いて帰らなかった。ひたすら念じてたらスっと気配が薄くなった?ような気がした。目を開けた。そこには誰もいなかった。