実家の隣にある、草ボーボーの空き地を隔てたところにお稲荷さんがあります。

スレタイのように神社と言うほどの規模ではなく、入り口に立つ高さ3mほどの鳥居をくぐると、10畳ほどのブロック塀に囲まれたスペースにまた小さな鳥居があり、その向こうに祠が鎮座されているくらいのものです。村の鎮守というような位置づけでしょうか。

実家の二階にある私の部屋のカーテンを開けると、丁度真横からその全貌を眺めることができます。

鳥居の札に正一位稲荷大明神とあるので、お稲荷さんのなんだろうなと言う程度の認識でした。

年に一度だけ地域の人たちが、寄り合いを兼ねたお祭りのような催しをするくらいで、それ以外は掃除する人もなく、苔や草も伸び放題でした。

同じ地域住民の自分を棚上げで、何て無責任な地域住民なんだと思ったりもしてみました。

そんな暮らしぶりの中、ある日の土曜日でした。

バイトがお休みの私は、前夜の夜ふかしもあり、お昼過ぎに目を覚ましました。