悔しくて目が覚めた・・・そんな夜・・・横になったまま体を反らして、枕元の時計を確認すると、針は三時半を指していた。
再び眠りに入るには妙に頭が冴えてしまっているし、かといって、起き上がってステーキ弁当を食べる気力も湧かない。
そうして半端な状態でいるうち、さきほど目覚めたときに感じた悔しさが、じわじわと胸に込み上げてきた。

 私は、ビルに住み、毎日が寿司と焼き肉、そしてパチスロで満たされた何不自由のない暮らしを送っている。
これまで生活において困ったことなどは一度もなく、そして、これからもないのであろう。
だが、この満たされた人生には何かが欠けていて、その何かが、私の胸中に悔しさとなって現れるのである。