【ウェルカム東北! 隠れた「名所」を巡る】(4)「落涙の聖母」 世界から巡礼 聖体奉仕会(秋田市)

「秋田−ソウルの定期便ができると、韓国のキリスト教者の方々がマリア像を拝みに来るという話があって、大いに期待したものです」
3月16日の秋田県議会予算特別委員会で公明党議員がそう発言した。創価学会員も恩恵を期待した「マリア像」とは、
秋田市郊外のカトリック女子修道院「聖体奉仕会」にある“落涙の聖母”のことだ。
台座を含めた高さ120センチの木彫りの像。平成13年の秋田−ソウル定期便開設につながった。「奇跡」を事実上公認
平成25年には、世界10カ所の聖母巡礼所を衛星中継で結ぶローマ教区主催の祈りの行事に、フランス・ルルドやイスラエル・ナザレなどの聖堂とともに聖体奉仕会が選ばれた。年間7千人の外国人
4月中旬のある日、インドネシアから15人の巡礼団がやってきた。世界最大のイスラム教国で、カトリックは約3%に過ぎないが、秋田の聖母マリアはよく知られているという。
以前から秋田を訪れたかったという団長のラウレンティウス・トゥエン神父(51)は「マリア様の涙は何かを訴えるためのものだったと思う。初めて像を拝見して、
どんな困難に直面しても希望を捨てないことが大事だというメッセージを感じた」と話した。
秋田−ソウル便は秋田からの利用客減少で長期運休が続いている。冒頭に紹介した県議会の質疑で佐竹敬久知事は「北朝鮮情勢が影響している」と述べ、運航再開は当面厳しいとの見方を示した。
だが小川会長によると、ソウル便がなくても、フィリピン、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナムなどから年間約7千人が成田や羽田経由で巡礼にやってくるという。
不便でも、どうしても行きたい場所には人は訪れるのだ。
http://www.sankei.com/region/news/160503/rgn1605030054-n1.html