41才。自分探しの旅に出た。

旅に出たって言っても、遠くに旅行に行った、とかじゃないわけ。
行った先は新宿テレクラ「○ンリ○ハウス」。これが俺にとっての「自分探し」。
で、もう、地べたを這いずり廻るような極北な毎日を送ってる援交女と
「悲惨比べ」をしようって思ったわけ。俺のスペックは41才・独身中年・
定職なし・貯金なし・借金250万・小太り・小男・風俗依存・糖尿・
対人恐怖症・腰痛持ち―かなりいい感じで悲惨なわけ。で、何人かと
電話で話して、これは、と思う女と会ったわけ。

――完敗。俺が甘かった。「悲惨比べ」完全敗北。俺が会った女、リカ。
リカちゃん、いきなりブサイク。で、推定30才。電波キンキン。初対面で最初の
一言が、「先週子供おろしたから母乳出るのー」おじさんドンびき。で、
カラオケボックスで母乳実演。母乳がチューって。それ見てたら突然手首から血が
タラーって。なななななに??とか驚いてたら「こないだリスカしたのー」
で、満面の笑みに前歯なし。脳下垂体にツーンと来たわけ。本能が警鐘を
鳴らしてるわけ、これはヤバイと。で、ダーッて帰ろうとしたら片足タックル。
足にしがみついてリカちゃんが言うわけ、「援助はー?」って。悲鳴。俺の。

振りきるように逃げてきて、今、マンキツ。「悲惨比べ」は完敗したけど
今になって急にリカちゃんが愛しくなってきてる自分がいるわけ。

恋?それはわからない。・・・リカちゃん、今日は突然だったからうろたえ
ちゃったけど・・・。もう一度リカちゃんに会ってみようと思う・・・秋・・。