南シナ海をめぐり、錯綜(さくそう)する各国の思惑。

一方、中国は、4月23日に習近平国家主席が南シナ海・海南島の海軍基地で3隻の新型軍艦を視察した映像を公開した。

印象的なのは、戦略ミサイルを搭載した原子力潜水艦「長征18」。

習主席の後ろでは、ミサイル発射装置の巨大なふたが開いている。

能勢伸之解説委員「中国は、潜水艦に搭載する戦略核ミサイルを持っていることを、世界に、特に対立が激化しているアメリカに知らしめたいということだと思う。今、中国が発射試験中の新型のJL-3型潜水艦発射戦略核弾道ミサイルは、射程1万km以上とも1万2,000kmとも言われている。この射程があれば、南シナ海からアメリカ本土ばかりでなく、パリやロンドンも、物理的にはJL-3の射程になりかねない。アメリカをけん制しようとしたら、英仏という別の戦略核保有国を刺激してしまうのでは」

フランスの戦略ミサイル原潜は、最大射程1万kmの核ミサイルを搭載。

イギリスの戦略ミサイル原潜に搭載されたミサイルは、最大射程1万2,000km。

中国のほとんどのエリアが射程に入るとみられている。

日本への影響は...

能勢伸之解説委員「中国が新たな戦略核兵器を強化すれば、結果として、イギリスやフランスという2つの戦略核兵器保有国も中国包囲網に参加してしまうかもしれず、そうなれば日本を含む東アジアの安定にとって、今後を左右する新たな要素となるかもしれない」