* 俺は大声で叫んだ。そして走った。もう何も考えられず、全力で走って逃げた。
* 同じ専門に通っている、学校の寮に住んでいる奴のところまで走って逃げた。
* 深夜にピンポンを鳴らしまくり、叩き起こして部屋に匿って貰った。
* 思考がまとまらずまともに話も出来ず、説明すらままならなかった。
* しばらく経って少し落ち着いて、事情を話した。朝までこのまま匿ってもらおうかとも思ったが、事情を話してるうちに、自分で話しておいてなんだがあまりにも話に現実味がなさすぎて、結局二人で戻って確認することにした。
*
* まず、出窓から中を確認することにした。恐る恐る見てみるが、部屋には誰もいなかった。
* 玄関を開けると、なんとも言えない腐葉土とカビが混ざったような臭いと、クーラーを効かせているはずなのにムワッとした空気が流れてきた。
* 二人で部屋を確認すると中には誰もいなかったが布団の上だけに、歪な形の、垢のような足跡が残っていた。