「G1って何すか?」俺が聞くと、「われわれ肛門科の医師の間で行われている
 格闘技ですよ」 「格闘技?」 
「そうです。あなたの脱肛はすごい。100人に一人のレベルのものです。
 どうですか、治療費はいりませんし、ファイトマネーとして300万払いましょう」
で、俺は金がなかったから、タダで手術してもらえる上に、
300万くれるというのはすげえいい話だと思った。
それで「出ます!」って答えてしまったんだよ。爺医者はにっこり笑って、
「ああ、よく決心されました。才能を無駄にするのはもったいないですから」
こう言い、薬をもらってその日は帰ったんだよ。
尻はあきれるほど痛かったが、大便をせずになんとか我慢してた。

前回言われた日曜の夜8時に病院に行くと、たくさん白衣を着たやつらが来てて
その中に爺医者もいた。俺は全裸にされ、車輪のついた手術台のようなのに
足を開き膝を立てたうつぶせの状態で乗せられ、手足をベルトで固定された。
手術台は人の身長より短くて、端から尻が突き出た恰好になった。
んで、そのまま救急車に乗せられたんだよ。
俺が「どこへ行くんですか?」って聞くと、
「日本武道館ですよ。頑張ってください、期待しています」って言われた。
やがて救急車が武道館に着くと、中はたくさんの観客で埋まってた。
で、花道のようなところをガラガラと手術台を押されて、
ライトで照らされた中央の壇に進んで行ったんだ。