どんなに人格が優れた天皇や将軍でも、
子孫に出来損ない、暴君・暗君が誕生してしまうことはありますよ。
温和で知られた清和天皇の皇子は、暴虐無尽・残虐な性格で、ちょっと虫のいどころが悪かっただけで家臣を殴り殺していますし、
家康公の子孫は名君もとっても多いですが、
なかには冷酷非情な人間もいます。

参勤交代の時、年端も行かない幼女が、持っていた毬を誤って手元から離してしまい、転がっていったその毬をつかまえようと、女の子は走って毬を追うんですが、そのとき、運悪く参勤交代の列の前を横切ってしまった。
普通はこういう時は、
家臣が機転を利かせて
「猫じゃ! 捨て置け!」
などといって見逃すんですが、
この家康直系の殿様はとても狭量な性格で、
その一部始終を見ていた人たち皆が、その女の子の助命を歎願するなか、
無情にもその殿様は、
その年端も行かない4才か5才の女の子を手打ちにかけて殺してしまった。

天皇家や藤原氏や徳川家などで
始祖がどんなに人格高潔な方であっても、どうしてもこういうどうしようもない手合いというのは、少しは生まれて来てしまいます。