自分も奇妙な記憶がある。
最初に浮かぶのは、傾きかけた太陽、遠くまで広がる濃い緑の大地。
そこに、まるで、蛇の様にうねりながら、鈍い日の光を反射し続く黒い川。
その上空をゆっくりと動く視点。
飛んでいるのか、身体に流れるような浮力を感じながらも、自分の心は焦燥感に少し揺れている。
速度が上がり、川面擦れ々を落ちることなく視点は進む、日は水上に影を落とす。
両側に広がる長い真っ直ぐな形、僅かに風になびく。
まるで翼みたいだな、このまま何処に行くのだろうか、この先には何があるのだろう、、
ぼんやりとした思考に、突然に込み上げる思い、ああ、自分は如何なるかを知っている、この結末を。
段々と、近づいて来る、その一点を睨みつける自分、そこに近づいて行く視点。
いやだ!!そう、感じた瞬間、黒い水面がせり上がり、大きく凶暴な生物の牙に身体をつかまれた、
処で視界が白くフェードアウトした。多分、鳥の視点でワニに喰われたね。
動物が人間に生まれ変わる事はないと聞くけど、自分はどうかなとは思う。