2つ目は「無職は足るを知っている」ということだ。
これを読んでいるあなたは「足るを知るものは富む」という言葉を知っているだろうか。
「足るを知るものは富む」は古代中国の書物「老子」の第33章に収められている言葉だ。
この言葉が意味するは、「満足することを知っている人はたとえ貧しい状況に
あっても精神的には豊かである」ということである。
これを踏まえ、労働者と無職を場合分けして考えてみる。
労働者は競争社会に生きなければならない。それにより、人より良い給料、
人より良いポスト、人より良い物、人より良い女等、次から次へと欲しいものが出てきてしまうのだ。
競争社会に生きる限り”足る”を知るということがなく、「もっと」「まだ足りない」
「更に上に」と、際限なく欲してしまうのだ。
このように、労働者は永遠の渇望の中生きている。
これを”苦痛”や”心の貧しさ”と言わずなんというのだろうか。
しかし、無職には競争という概念すらない。それにより人と比べることがなく、
際限なく欲することも無い。”足るを知っている”のである。