アセンション信者には、こんな人たちが目立った。
地方に住み、社会的に高い地位にあるわけでもなく、おそらくは孤独で、男性。
自己責任社会では「負け犬」「敗残者」とレッテルを貼られ、不当に扱われた人々だろう。
ある精神科医は、信者をこう分析していた。彼らは孤独なのだと。
陰謀論を信じることで、仲間を得るのだと。
精神的ドラッグのように陰謀論を信じることでしか、自己肯定感や仲間とのつながり、
生の意味を得られない人々がいる。それに依存し、耽溺し、手放せなくなる人がいる。
もちろん超長期的には、そのような生の貧しさや荒廃をこそ根絶しなければならない。
だが、今我々がまずできることは、一人一人の心情を理解すること。
より良い未来に皆で向かうのだと穏やかに語り掛けあい、信頼の感覚を醸成していくことだ。

もしもネット上で陰謀論を拡散する人を見かけたら、まずは論理的に事実を示すべきだ。
相手が意見を変えたなら、もうそれ以上は触れない。
抵抗を見せたとしても、「論破」してはいけない。
相手の人生を思いやり、想像する時間を持つといい。
断片的なコミュニケーションになりがちなSNSのやり取りでそれが難しければ、
小説や映画やドキュメンタリーの助けを借りるといいだろう。