次は、14歳中学2年生の時だった。その頃私は虐められていてさ、学校に通うことすら嫌になってたわ。
でもね。そんな時に、立志式をやるって担任に言われた。色紙に自分がなりたい大人を単語で書いて、それを体育館で発表するって式典だった。

正直、嫌で嫌で仕方なかった。私の気持ちを察してか、休みの日 母が買い物に誘ってくれた。アーケードに着くと母は、服屋に向い私にも好きなとこにいなと言って行った。多分、母は私が本屋に行くと思ったんだろう。
でも、私はアーケードを出てあの七五三で行った八幡様に向かった。片道15分のところにあったから、すぐ戻れば良いだろ……くらいに思ってたんだ。
で、鳥居の前について境内に入ると石段を駆け上がったの。そしたら、そこに【茅の輪】が置かれていたんだ。

【茅の輪】は8の字にくぐり抜ける事で、厄祓いなどが出来るってやつだった。私は、ラッキーと思って【茅の輪】をくぐったの。くぐり抜けた瞬間、人が消えたんだ。
本当に七五三の時と同じでさ、しかも。七五三の時は、気にしてなくて気づかなかったけど。神社の周りの住宅街やアーケードの方は全部、霧に覆われてたんだ。戸惑いながらとりあえず拝殿の方へ振り返ると、拝殿前に置かれた賽銭箱の上に誰かが座ってるのが見えたんだ。

それを見た瞬間、思った事は
「なんか、罰当たりな奴がいる!」だった。もっと他に気にするとこ沢山あるのに馬鹿な私。