『無為の治』

「学」を求める者は、日一日と増やしていく。
「道」を求める者は、日一日と減らしていく。
そしてついには無為の境地に入るのである。

本分を守り、勝手なことをしなければ
できない事など何もない。
国を治める者は、静かに、かき乱さず
よけいな手出しをしてはいけない。
やたらに規則を作る者は、ついには失敗する。

学を求めれば、知と欲が増すばかりで、虚偽を生み
憂いを生ずることになるんじゃ。
道を求めれば、知と欲を消し
心の中が清く虚ろになるので
おのずと治まるようになるんじゃ。

【マンガ老荘の思想】より抜粋