90 :まお :05/02/03 00:38:06 (p)ID:OP3Xrerm0(3)
これは叔父から聞いた話。叔父は団塊の世代で、消防の頃は町内が
ガキで溢れていたそうだ。寺の境内や墓場が遊び場で、本堂の横にある
防火用水池に張ってある金網の上を渡るのが、仲間から一目置かれる
お遊びだった。で或る日、とうとう悪ガキの一人が、網の破れ目から
用水池に落ちた。叔父たちは、最初は笑って見ていたが、必死になって
もがいていた奴が、真っ赤に錆びて折れた鉄枠と一緒に用水池に沈んで
いくのを見たら、怖くなって家へ逃げ帰ってしまった。その途中で、叔
父ともう一人が、親に話したらぶん殴られるから、黙ってようって事に
してしまった。

翌日になっても、誰も騒ぐ者はいなかったので、叔父はアイツは自分で
這い上がって、家に帰ったんだなと思ったそうだ。ところが、あいつは
学校に来なかったし、寺の境内にも遊びに来なかった。用水池を見ても、
昨日と同じ様に、真ん中にポッカリと大きな穴が開いているだけだった。
そして、親父は二度とアイツにお目に掛かる事はなかった。