壇はプロレスのリングのような感じだったが、ロープは張ってなかった。
蝶ネクタイをしたアナウンサーが、「本日の第一試合、赤コーナー」
と叫んで俺の名前を呼んだ。向こう側を見ると、俺と同じ格好で台に
固定されたおっさんがいた。おっさんはハゲの50代くらいで、
やっぱ俺と同じに肛門が尻から飛び出していたな。で、おっさんの名前も呼ばれ、
2人とも互いに尻を向ける格好で、屈強な男たちに壇の中央まで運ばれた。
レフリーが間に入って「ファイト!」と声をかけると、
手術台どうしが勢いよくぶつけ合わされた。
つまり俺とおっさんの脱肛と脱肛が激突したってことだ。

「あんぎゃあああああああああ あああ あああ ああああ ああああああああああ!!」
あまりの痛さに目の前で火花が散った。
相手のおっさんも牛のような声で何か吠え叫んでいたが、
人のことを気にしてる余裕はなかった。台は何度も何度もぶつけられ、
「あああ、痛で、痛でえよう。あああああ」 俺はそのたびに絶叫してしまった。
肛門と肛門がドチュッとぶつかる嫌な感触があり、俺はだんだん気が遠くなってきた。
どのくらい時間がたったろうか、「やった勝ったぞ!相手の肛門が引っ込んだ!!」
という声が大歓声の中で聞こえ、俺は顔中涙でぐちょぐちょにしながら
勝ち名のりを受けた。んで「すばらしい戦いでした。感動しました」
爺医者に控室でほめられて300万もらったんだよ。