中国で2019年度の流行語をあげる際、必ずランクインした言葉に「996」がある。
「996」とはどういう意味か。これはアリババのジャック・マー(馬雲)会長が提唱したもので
「月曜から土曜までの週6日勤務、就業時間は、朝9時から夜9時まで」という意味である。
批判が集中したため、会長自ら取り消したが、今の中国では、特に珍しいことではない。

中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)が、日本で最初に知られるようになったのは
「新卒初任給40万円」という異例の額が求人広告に掲載された時だった。
当時日本で新卒の初任給が20万円前後だったので、その2倍である。
中国国内の華為は、月収2万元から3万元(約31万〜46万円)、年収に換算すると、
色々手当もついて、おおよそ70万元(約1000万円)は行くだろうと言われている。
日本の30代後半から40代にとっては、別に驚くほどの額ではないかもしれないが、
華為では、これを20代から30代前半の若者が得ているのである。
しかし中国人はこれを「仕事内容からして、決して高い額ではない」という。
そして「華為で働くのは、体力のある若者たちだけ」でもある。
それはどういう意味か。
「996なんてもんじゃない。なかには9時から11時、もっとひどいケースは夜中の1時2時まで働いている。
それを考えると、月収3万元でも割に合わない」
華為で働くということは、「鍛錬」であり、「仕事を学ぶ」ことなのだそうだ。