そんな調子でやっと旅館にたどり着くことができ、エントランスで倒れ込んでしまうと
私を見た従業員さんが「どうしたんですか?」と訊ねてきました。
倒れたときにできた傷を見て不思議に思ったのでしょうか。
かなり慌てた感じで聞いてきました。
私はさっき起こった異常な出来事を話したのですが、話す内容が荒唐無稽なので
当然信じてもらうことができませんでした。
ですが、不審者に襲われたという事は信じて貰えたようで
従業員さんは顧問の先生を呼んで色々と話し合っていました。
ちなみに頭痛はこの辺りにはすっかり消えていました。

その後夕食を食べることになっていたのですが、その前に先生が私を含む部員を先生が泊まっている部屋
に呼んで私が不審者に襲われたことと、これからは団体で固まって作品を描くことを伝えました。
その時にキャンバスと絵の具セットを置いてきたことを先生に言うと、明日先生と一緒にあの林へ
行ってそれらを取りに行くことになりました。