有刺鉄線やテープを超えた先は異質だった。
神前というか澄み切った空間にいる様に感じる空気だ。
俺はAを探して奥へ進んでいった。
一歩一歩進むたびに落ちた落ち葉の音がなる。

到着した。
目の前には人2人分が通れる程の大きさの鳥居。
そして小さな社に肩幅程度のお賽銭箱だ。
そのお賽銭箱の前でBは蹲っていた。

俺はBに駆け寄った。
俺「大丈夫か?」
Bは震えていた。ひどく汗もかいている。
B「見ちまった・・・。俺たちはとんでもない所に来てしまったんだ。」
そうボソボソと呟きながらBは手で目を覆いながら小さくなり動けずにいた。

その時ハッと俺は気付いてしまった。

――――鳥居を潜ってしまった。