「キリスト教が疑わてしまう空気が浸透した後は・・私達は信頼を取り返しに行く。」

「地上にそのような真似をして間に合うのですか?」

「間に合うとも。一人ずつ、引き抜く意味だとしても同じことだ。」

「そうですか・・・では、また私達と同じような人間が霊界に増えるのですね・・?」

「そうだが・・、お前はまだ、それからどうなるかを考えていなかったのか?」

「はい。不満が残るだけだと思っていますが。」

「それでどうなった?お前は今回、以前から希望していたように反乱軍の一人として
 地上に向かうことになっただろう?お前のように生まれ変わらない者でも反乱軍として
 この霊界でメッセージを送信している側の天使もいる。反乱というのはいつも送信する側と
 メッセージを受信する側で行われる。それをどうして思い出せなかった?」

「はぁ、そうでした、すみません。気持ちが焦ってしまって。忘れないようにします。」

「そうだな。まぁ、こちらには反乱軍を支える送信グループの天使も控えているから十代のうちに
 何か疑問のようなものを持てるだろう。その時、彼女らの名前は忘れているかもしれないが・・。」

「天使の皆様方、どうも、数十年という永い月日の間、お世話になりました。
 これから地上に向かいますが、どうか、宜しくお願い致します。」

この時、シールは深々と頭を下げ、以前から優しくしてくれた
ある一人の女性を視界に入れないようにしてその場をあとにした。