「合体完了っっと・・。あー、よかった。」

「何、下品なこと云ってんの?そんな風に言わないでよ。」

「あ、ごめん。どんな彼氏だったの?」

「どんな彼氏って、あなたでしょ?」

「うん、まぁ、そうだけどさ。先輩に頭殴られてさ、何かポーっとしてんだよね・・。」

「だいじょうぶ?だれ?先輩って。その人酷いことするね?
 ってホントなの?嘘だよね。これ何か、顔の真ん中に平面があるだけで変だよ。」

「うん、そうだろうと思うよ・・。」

「ねぇ、なんで眉毛も剃ってるの?」

「眉毛はいいじゃん。眉毛は何のためか解らないじゃん。ちょっと急いでてさ。」

「先輩と喧嘩して?」

「そうそう。先輩と喧嘩して眉毛剃られちゃったんだよね。」

「そう。って云うかさ、なんで口の位置も違うの?そんなに殴られたの?」

「うん、まぁ、どうしよう。ちょっと連絡先、聞いていいかな?
 っていうか、おれさ、先輩のせいでさ、記憶が曖昧でさ、実家の電話番号ド忘れしたんだけど、
 おれの実家の番号とか知ってる?」

「連絡先?え、あ、実家なら知ってるよ。」

「ありがとう。あ、いいや、また連絡する。」