神社といっても神主はただの農家のおっさんで、資格はあるんでしょうが
何かの祭事があるときしか社殿にはいません。
田舎なんで旧正月の行事があるため、1月過ぎても雪寄せして道はついてました。
神社での賭けがどういうものかわからないままついて行ったら、
鳥居をくぐって短い参道を脇道にそれました。
そこは松の林になっていて、その枝におみくじが結びつけられている場所がありました。
枝の重なった下のために、連日の雪でもくじはけっこう残っていましたね。
ほとんどがその年の初詣のものだったでしょう。

「これほどいて、どっちがいい順番かで賭けをしよう」
この順番というのは、大吉とか末吉とかああいうやつのことでしたね。
「もしお前が負けたら、◯◯のソフトをしばらく貸してもらうぜ」こう言いましたが、
松山自身が負けたら・・・ということは絶対に言わないんです。
こちらが言い出せないことを見透かしていたんだと思います。
自分はこのおみくじはとっちゃいけないものなんじゃないかと思いましたが、
それも言い出せませんでした。
午後になって寒さがゆるんで、松の木からはぽたぽた水が落ちていました。