さらに後味悪いのはこの花火を打ち上げた高峰の父親の話と合わせたとき。

街を徘徊する内にかつての生家に訪れた高峰だが、家族にはなにも告げずに家出同然でフランスに行ったため父親とは確執があった。
父親は高峰のことはずっと気にしていたのだが、久しぶりに帰ってきた息子のことを内面では心配しながら、表面的には拒否してしまう。
このままでは喧嘩別れになると分かっていながらも素直になれない父親。
終いには高峰が再び家を飛び出そうとする直前、「ほっとけ。金でもせびりに来たんだろう。」という酷い言葉を投げ付けてしまう。
父親はその言葉にキレた高峰に殴られて入院。

だけど高峰の父親は入院先で、部下に電話して5日目の夜に、日本中に花火を打ち上げる。
その理由は「その日が誕生日だった息子を花火でお祝いするため」

この高峰父の話は満足そうに花火を見てる父親のカットで終わるのだが、肝心の息子は父親のことなんて影も形も思い出さずに、自分が誕生したその瞬間に息を引き取る。
最後まですれ違いまくってる親子。
後味悪い。