セガサターンのソフトに「街」という有名ではないけど一部ではコアなファンのいるゲームがあって、
いわゆるサウンドノベル(音の付いた小説みたいなの)ってやつなんだけど、簡単に言うと8人の主人公のある5日間の物語をエンディングまで導くゲーム。
その中の高峰骼mというキャラクターの物語が後味悪い。

あらすじをザッとまとめると、家族も日本も捨ててフランスに渡って傭兵になっていた男(高峰)が
傭兵として人を殺すことに耐えられなくなって、また日本に逃げ戻ってきたものの、
その日本にも馴染まず、街を徘徊して居場所探しをするみたいな内容。

途中で気まぐれに、因縁ふっかけてきたDQNとかホームレス狩りしているオタク共をぶっ倒しつつ、
家族や友人、かつての恋人などに会うが、そのどれもに結局は心を許せなかった高峰。
そんな高峰が唯一、心を通わせられたのがたまたまホームレス狩りから救ったホームレスのドン。
過去に一山当てながらも自分の行為が原因で居場所を失ったそのホームレスのドンに「父」を感じた高峰はやっと心が晴れ、
フランスも日本も捨てて新天地に居場所を求め、タクシーを呼んで空港に向かおうとした。

だけどそのタクシーに乗り込もうとした瞬間、撃たれる高峰。

空には季節外れの花火が打ち上がっていて、でも高峰はそれどころじゃない。
かつての恋人の幻影に罵倒され、新天地への夢を見ながら高峰は空しく散っていった。

やっと前向きになったところで未来を絶たれるという後味の悪さ。