高校の学習指導要領改定案では、北方領土のほか、竹島(島根県)と尖閣諸島(沖縄県)を「わが国固有の領土」と初めて明記した。

 指導要領の解説書には既に記載されている。昨年3月に改定された小中学校の指導要領にも同様に記述されており、

文部科学省は「当然の流れとして今回の改定に至った」と説明している。

 改定案では、地理歴史のいずれも新設科目である「地理総合」と「地理探究」で北方領土、竹島、尖閣諸島について「わが国固有の領土であることなどを取り上げる」とし、

尖閣諸島については「領土問題は存在しないことも扱う」とした。

 「歴史総合」と「日本史探究」では、「日本の国民国家の形成などの学習で領土の画定などを取り扱う」とし、北方領土、竹島、尖閣諸島についても触れるよう求めた。

 公民の新科目「公共」や政治・経済でも領土について学ぶ際、
「わが国が、固有の領土である竹島や北方領土に関し残されている問題の平和的な手段による解決に向けて努力していることや、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は存在していないことなどを取り上げる」とした。

 文科省は「領土問題は自国の立場を優先して指導する」との考え方を示す一方、
「なぜ問題が起きているかを理解させる過程で他国の主張を取り上げることはあり得る」としている。