「野火」はリリーフランキーと、
彼が手足のように使っている若い兵卒との関係が興味深かった
歩けないふりをして若い兵卒から搾取しているリリーフランキーと、
彼に操られて「猿」狩りにまで手を染めるようになった若者の関係性は、
当時の日本に溢れていた、
幼稚な大人達が若者を食い物にしている図式の再現になっている。
だからこそ、若者がリリーフランキーを撃ち殺してその生肉に食らいつく場面は、
凄惨ながらも、確かにカタルシスがあったのだ
そういう意味では祈りの作品でもあるのかもしれない
当時のほとんど全ての若者は、幼稚な大人達の生肉に食らいつくことなど許されなかったのだから
アンチよ、観賞せよ