続け、自衛隊の戦闘機F−15やその他の兵器を製造している」と強調する。

 さらには、「安倍晋三氏が再び首相に就任した後、日本は数十年来守り続けてきた武器輸出の原則を放棄し、日本の軍需産業の強化に乗り出した」とも書く。

 中国が日本の高い技術力に危機感を抱くのは理解できる。だが、ここまで書かれてしまうと、悪意があると感じざるを得ない。

永遠に『二流国家』に甘んじるしかないのか?

 一方、MRJの初飛行成功に対する韓国の受け止め方は複雑だ。

 韓国の経済専門紙、韓国経済新聞(電子版)は「中国と日本がジェット旅客機市場で迅速な動きを見せる中、韓国は第一歩も踏み出せずにいる」と自虐的に指摘する。

 同紙は経済紙らしく、今後の世界旅客機市場を「欧州のエアバスと米国のボーイングに二分化された市場で、中国には影響力を拡大し『3強構図』を形成するという意図がある。日本もMRJ技術のノウハウを活用し、いつかは収益性が高い中大型機市場に参入する可能性が高いと予想される」と分析する。

 だが、そこに韓国の名はない。同紙によれば、韓国の旅客機開発事業は20年以上も漂流しているという。金泳三(キム・ヨンサム)政権時代の1993年に、「新経済5カ年計画」で中型航空機開発計画を含めて推進したが、共同開発国の中国が手を引いてしまい、事業が中断された。航空機製造業界の関係者からは、「スローガンではなく、航空機開発のための実質的な計画を政府が出さなければいけない」との声も聞かれる。

 そんな中、朝鮮日報(電子版)は「日本のMRJ成功、韓国製造業も奮起を」と前向きな社説を掲載している。

 「航空・宇宙産業は先進経済国に仲間入りするための最終関門だ。見知らぬ道で誰も技術を教えてくれないとためらっていては韓国は永遠に『二流国家』に甘んじるしかない。自動車、半導体産業で未経験の壁を突破したからこそ、韓国経済をここまでリードできたのだ」と鼓舞した。

 「一流国家」を目指すのならば、謙虚さも必要だということか。