「なんでしゅか?」
「上の枝のところにひらひらしてるものがあるんだけど、わかる?」
「うん、わかりましゅよ あれを取りに行くんでしゅか?」
さすが俺の娘だ、察しがいい
「そうだよ あれは父さんの大切なものでね、シャンちゃんに取ってきて欲しいんだけどできる?」
「まかせてくだしゃい エヘン」
娘にとっては初めて登る高さなので、念のためロープを娘の体に巻き付けた
「慌てなくていいからね、ゆっくり登るんだよ」
「あいっ」
妻にこんなところを見られたら大目玉を食らうかもしれないから、ゆっくりと言いながらも内心は焦っていた
風もやみ、満月なので月明かりでもシートの場所はわかる
満月をバックに木登りをする娘のシルエットは頼もしささえ感じた
その時だった
「あら、リー君、何してるの?」
あわわわわわ…