「小雅、ただいまっ・・!」
「母ちゃん!おかえりっ!!」
小雅はすっかり支度をしてずっと待っていた様子だった。
「小雅、ごめんね。早く行こうね。」
「母ちゃん、これ飲んでから・・!」
いつものようにニコニコ笑顔で麦茶を一杯差出して来た。
小雅のおいしい麦茶を一気に飲み干し、すぐに2人で家を出た。

キキーーッ ガチャッ
自転車の後ろの子供用シートに乗せるには大きくなりすぎた小雅を無理に乗せ
大急ぎで飛ばし、電器屋さんに着いたのは開店数分前だった。
「母ちゃん・・っ! 人が沢山いるよ!」
小雅の指さす方を見ると、入り口付近には沢山の人が並んでいた。
「ああ・・遅かったか・・」
あの特価だもの。こんな時間に来ても間に合うはずはなかったんだ。
それでも一応・・と電器屋さんに入ることにした。