ジリリリリン ジリリリリン
早朝、電話が鳴った。
こんな時間に何だろうと思い受話器をとった。
「ああ!小Y頭ちゃんかい?おはよう僕です、休みの日にごめんね。」
新聞店の店主からだった。
「あのさ、一人今日病気でね、人が足りなくなっちゃったんだよー。
フォローお願いできるかなぁ?」

ああ、電器屋さんに並ぶ時間まで間に合うかしら?
一瞬そう思ったが1日勤務日が増えるのは正直お給料の面ではありがたくもあった。
「はい、今から行きます」
ささっと身支度をし、小雅に「電器屋さんに並ぶまでは必ず帰るからね」
と約束し、家を出た。

「ああ、もうこんな時間」
慣れない地区の配達に少々手間取り、その後の片づけをしていたら
いつもより上がる時間が遅くなってしまった。
「小Y頭ちゃん、今日はありがとう!おつかれさん!」
「はい・・!手間取ってしまいすみませんでした、ではお先に失礼します。」
そう言うよりも早く自転車にまたがり急いで小雅の待つアパートに向かった。