一方、国家衛生健康委員会が最近公表した年鑑によると、18年の出生数はさらに低く、1362万人にとどまった。
両機関は出生数の数え方が違う。
健康委は病院のデータを使い、統計局は各地の調査から推計しているのだ。
16年以降、同委の出生数推計はおおむね統計局のそれをやや上回ってきた。
ところが今年、同委の数字が統計局より大幅に低かったことは注目に値する。
健康委はデータの違いについて、流入出者の数え方が違うためだと説明したが、詳細は明らかにしなかった。
統計局はファクスでの質問に回答しなかった。
中国の政策担当者は、増加する退職者が家計貯蓄を食いつぶし、成長を妨げる脅威を十分に認識している。
それでも子供の制限は残っている。
夫婦は子供を2人持てるが、それが上限だ。
政府は2030年からの人口減少を予想しているにもかかわらずである。
中国政府は、技術の進歩と自動化が生産性を押し上げ、若い労働者の不足を一部補うと主張してきた。
当局者は出産を奨励する措置を講じてきたが、長年の政策をあまりに急速に変えることには気が進まないと話している。
流れを変えるには遅すぎると話す人口問題専門家もいる。
ある中国人研究者は、自身の計算が正しければ中国の人口減少は既に始まっていると述べた。
ウィスコンシン大学マディソン校の易富賢氏は、出産可能な女性の数や学校の入学者数といった他のデータを出生数の推計と合わせて全体像を見ている。
この方法を使い、昨年の出生数はわずか1000万人前後と推計、人口が減少しているとの考えに至った。
易氏の結論を採り入れる専門家はほとんどいないが、多くの専門家は人口のピークが政府の予想より早く到来するとの見解で一致している。