中国の指導層はあまりに急激な人口増加に長らく懸念を抱いていた。
今では正反対の心配をしている。同国の出生率は世界で最も低い部類に入るのだ。
しかも、人口問題は考えられているよりも深刻であることを、最近のデータは示唆している。
年齢の中央値が上昇するなか、退職者を支える労働者は減る一方だとの見通しが今後の中国経済に大きな影を落としている。
1970年代には、中国の年齢中央値は米国を10歳近く下回っていた。
それが上昇したため、中国政府は「一人っ子政策」(急速すぎる人口増加への懸念から80年に正式導入されていた)を2015年末に撤廃。
だが期待された出生数の増加はほとんど実現しなかった。
「一人っ子政策」撤廃以来、中国の出生数の推計はさまざまだ
今年1月、中国国家統計局は18年に人口が13億9500万人に増加したと発表した。出生数は1523万人だった。
この出生数は17年より200万人少なく、公式予想の2100万人を30%ほど下回る。