野党足並み、早くも乱れ 参院は審議先送り
https://mainichi.jp/articles/20171116/k00/00m/010/120000c

民進党分裂による野党の連携不全が15日に早速露呈した。加計学園問題に関する参院文教科学委員会の開催が、来月7日に先送りされる見通しとなった。
当初は「衆院文部科学委の質疑後」で調整されていたが、参院民進党が15日、新閣僚の所信表明後に質疑を行う慣例を優先すべきだと参院自民党に伝えた。
立憲民主党幹部は「参院は分からない」と不快感を示した。
 
衆院文科委での質疑時間配分を巡り、自民党は「15日午後に参院で質疑する」と立憲側に伝えて譲歩を迫っており、立憲が民進に「はしごを外された」形。
国会運営を自民党と協議する野党第1党が衆院では立憲、参院では民進と異なり、連絡が行き届かないためだ。
 
審議先送りに関し、民進関係者は「問題点を整理してしっかり質問を作らないといけない。急いでやることでもない」と説明した。
 
民進分裂に伴い、先の通常国会で森友・加計問題を追及した論客も立憲、希望、民進の3党に分かれた。3党は「追及チーム」会合や関係省庁ヒアリングを別々に実施。
一時は3党合同チームを模索する動きもあったというが実現せず、15日も立憲と民進が国会内で個別に会合を開いた。
 
野党質問では、複数の質問者が得意分野を分担する「波状攻撃」が効果的とされるが、15日の文科委で2人の質問者が立ったのは野党では希望だけ。
野党乱立の悪影響が、政権追及という野党の「晴れ舞台」にも及ぶことが明瞭になった。
 
質疑では長坂康正内閣府政務官がしどろもどろになる場面もあったが、追及内容自体に目新しさはなかった。
政権幹部からは「同じような質問ばかりだったら質疑をやる必要はないんじゃないか」との発言も漏れている。