高藤はムシビドバゼ(ロシア)との決勝で小内刈りで技ありを奪い、優勢勝ち。優勝が決まると、深々と一礼したが、笑顔はなかった。「圧倒的な力で勝てなかったのが悔しい。
(世界王者に与えられる)赤ゼッケンは守りたかった」と振り返った。
新たな「減量法」が勝利に導いた。通常は体重が68キロ前後あり、以前は3週間前から急激に落とした。しかし、昨年12月のグランドスラム(GS)東京大会決勝で、
体がつったことを機に意識改革した。本番まで約9カ月の準備期間があったため、改めて栄養学を学び、嫌いな野菜を食べるなど偏った食生活を改善した。野菜は
子どものように「ごまかして」鍋やスープにするなど工夫して口にした。
年齢を重ねて体重が落ちにくくなり、体と真剣に向き合い「どうしたら最大限の力が出せるか」を考えた。7月のグランプリ・ザグレブ大会前には、1人で「体重調整合宿」を
2週間敢行。練習メニューを自身で決めて、毎日、管理栄養士に食事の写真を送ってアドバイスをもらった。前日計量では59・9キロと完璧だった。
今大会前にも同合宿を実施し、19日の前日調整では60・4キロ。減量のストレスもなく、心身ともに余裕を持って試合に臨めた。20年東京五輪に向けて「準備が結果に
つながる」と言う。本番はあくまでも2年後だ。「世界選手権は普通の国際大会と変わらない。金メダルを取るためにも頭1つ抜けてる存在にならないといけない」。
五輪の借りは五輪で返す−。2連覇を達成しても25歳の世界王者は隙を見せない。

高藤直寿、嫌いな野菜も食べて連覇 新減量法が奏功 - 柔道
https://www.nikkansports.com/sports/news/201809210000212.html

永山は準決勝の延長10秒すぎに高藤の小内刈りを食らい、初優勝への挑戦がついえた。初出場の昨年は3回戦で敗れ、雪辱を期したが「自分の組み手に
させてもらえなかった。すごく悔しい」。3位決定戦に勝っても笑顔はなかった。1メートル56と小柄ながら日本代表屈指の運動能力を持つものの、五輪の代表枠は1つ。
「高藤先輩に差をつけられたので、借りを返したい」。最大のライバルを乗り越えない限り、夢舞台は見えてこない。

永山『銅』準決で高藤に敗戦「借り返したい」/柔道
https://www.sanspo.com/sports/news/20180921/jud18092105000002-n1.html